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大津塾第35回「会社生活での経験~昭和から平成の時代の中で」 武田邦俊様(大津高S49年卒)

武田さんは、昭和49年大津高卒業。在校時代はラグビー部に所属し、初めての全国大会に出場したメンバーです。

今までの「会社生活での経験~昭和から平成の時代の中で」を、世界情勢・国内情勢に合わせ、ご本人の会社での取組をわかりやすく説明戴きました。当日の様子をお伝え致します。

 

開催日時:2019年1月26日(土) 17:00〜

 

講師:武田邦俊様(大津高S49年卒)

 

1980年に(株)ブリヂストンに入社され、海外業務部に配属を皮切りになんと7か国8か所の駐在と約70か国を訪問されています。

 

最初の現地赴任は1985年10月に中近東・アフリカ部でカイロに駐在となり、それから現地での事業開拓後に、東京本社に戻られ、又、中近東・アフリカに戻るという取り組みで一担当として新たな国への事業開拓は約20年間にわたるものでした。

 

最初は北・西・中央アフリカ担当。大変広大なエリアをカイロからローカル飛行機で行き、そこからは自動車に乗り継ぐという過酷なものです。

資本主義国や社会主義もあり、具体例として「リビア」「エチオピア」「コンゴ共和国」などをご紹介頂きましたが、いずれも現地入りして車両の運転で発生するタイヤの不具合をデータとして把握し、駐在拠点の技術部門と共同で対策検討してタイヤを試作する。

再訪問して試作タイヤを確認するというサイクルを繰り返す。毎回結果がでないで挫折しそうな地道な活動によりユーザーの支持を受けた結果、各地で数万本単位の受注実績を挙げられました。

 

その後、1994年サウジアラビアに駐在された際には販売小売店(日本流に言えばタイヤ館)を住宅地に開設されました。タイヤメーカーの小売店は珍しく、住民が立ち寄ってはタイヤに関する不満情報が集まりました。他社のタイヤも含め、これに丁寧に応対することで好評を得、トヨタ/日産の代理店からも相談が頻繁に入ってくるようになりました。

 

砂漠の民は音と振動に非常に敏感で、これらの活動が評価され、トヨタレクサスや日産パトロールのタイヤがブリヂストンに替わっていきました。

このタイヤ小売店を一気に全国展開し、自動車メーカーの代理店向けの勉強会を展開。それまでシェアの低かった現地で圧倒的なシェアーを獲得されました。

 

その後、転機となる南アフリカへ初めて企業買収の現地責任者として、家族帯同で赴任されました。管理職ばかりの候補者の中にあり唯一末席で一担当の武田さんに白羽の矢が立ちました。企業買収には多方面の渉外が必要不可欠であり、サウジアラビヤでの実績が買われた人事ではとご本人もびっくりの人事でした。

企業を買収すると言うことは、その企業がいくらの価値があるか、いくらで買うかを決めてゆくことになります。製造・販売・財務・労務・法務・渉外と多面的な業務を担当するなかで、自然とまとめ役になれたとのこと。その中で、価値を生まない販売会社を清算せざるを得ず、白人を450人もリストラせざるを得なくなりました。

幸いにも初年度から黒字化となり、会社経営の貴重な経験を得られる。

 

その後も、海外での事業経営に携わることになる。世界情勢が不安な時代に中近東・アフリカでの実体験や企業買収を担当することでその後の会社経営の判断に誤ることなく対応ができたと述懐されました。

どんな課題にもユーザー、代理店、品質分析など現場・現物で地道な取組を続けられたからこそ解決されたと教えられました。

 

「砂漠の薔薇」や「クジャク石」など貴重な鉱物も見せて戴き大変盛り上がりました。